本文
木造聖観世音菩薩立像(尾張旭市指定文化財第1号)
員数 |
1体 |
---|---|
種別 |
有形文化財(美術工芸品・彫刻) |
指定年月日 |
昭和56年8月1日 |
所在地 |
渋川町三丁目8番地2 |
所有者 | 庄中保存会 |
材質 | 榧(かや) |
作者 | 行基(伝) |
制作の年代 | 藤原時代末期 |
寸法 |
像高160cm |
観世音菩薩は、様々に姿を変えて人々を救うといわれています。庄中観音堂に安置されている仏像は、左手に蓮華を持ち右挙を前方にかざす一般的な形式の聖観世音菩薩です。
この像は、中心一木の寄木造りで、材質は榧(かや)と思われます。像全体のバランスも良く、目は軽く閉じた柳葉状に彫眼され、口を軽く引き締め、温和で美しい表情をしています。全体的に彫りは深くありませんが、決して弱い線ではなく、裳裾(もすそ)も衣文(えもん)も巧みにまとめられています。彩色は施された様子はなく、当初から素木であったと考えられています。また、この像の両腕と足先を円空が修理し、左膝前に縦9cm、横5.5cmの埋木の補材を施していることも注目されます。
この像のはっきりとした由緒は不明ですが、一説によれば、往古この近くにあった御手洗池にこの像が流れつき、これを痛ましく思った村人が、お堂を建ててお祀りしたと伝えられています。