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旭精機工業株式会社
旭精機工業株式会社
「直接目にする機会は少ないですが、
実は市民の皆様が普段の生活で使う製品に広く関わっていて、
皆様の便利な生活を支えているという自負があります。」
旭精機工業の担当者は取材時にこう語ってくれました。
製品を市民に直接は販売していないため、事業について市民に広く知られているわけではありませんが、
生活に関連する様々な分野の金属部品製造を手掛ける精密加工事業部と
プレス機械などの生産用機械を製造して海外への輸出も行っている機械事業部の2つの事業部を有し、
多種多様な製品を取り扱う製造業の大企業です。
また、国内唯一の小口径銃弾メーカーという一面もあります。
銃弾メーカーから様々な分野への進出
1953年に小口径銃弾メーカーとして出発した旭精機工業は、
金属の精密加工技術を活かして、様々な分野の部品製造に積極的に取り組んできました。
また、部品の製造だけではなく、1950~60年代にかけてプレス機械や
ばね機械などの生産用機械の分野にも進出し、
現在ではドイツに駐在所を設置するなど、海外に向けての輸出も盛んです。
生産用機械への進出は「戦後の日本社会全体の需要増を見込んでの決断」で、
社会の動向を見極めながら、新たな分野に積極的に取り組む姿勢で発展を遂げています。
2つの事業部
精密加工事業部
高品質が求められる銃弾の製造に携わる中で蓄積した技術を活かして、
自動車・パソコン・エアコン・文具など様々な生活関連分野で必要とされる部品を製造しています。
高品質は勿論ですが、「品質を維持したまま大量に生産する技術についても、自負がある」といいます。
機械事業部
大迫力のプレス機械アップ写真
ばね機械の写真
プレス機械やばね機械など生産現場で使用される機械を製造しています。
製造した機械は日本国内での販売のみならず、海外へ輸出もしています。
近年、環境への配慮から電気自動車が注目されていますが、
旭精機工業のプレス機械は電気自動車用リチウムイオン電池ケースの製造にも使われており、
自動車産業において環境への配慮を支える存在であるといえます。
「機械事業部で設計・製造した機械を精密加工事業部でも使用するため、
同じ会社内で生産用機械を設計・製造する人と使用する人の両方がいて、
実際に機械を使用した際のフィードバックを行うことができるというのが強みですね」
独自の取り組み「ALPHANOMOUS(アルファノマス)」
旭精機工業では創業100周年を迎える2053年に向けて、
「ALPHANOMOUS(アルファノマス)」の完成を目指した取り組みを行っています。
ALPHANOMOUSとはAUTONOMOUS(自動運転)+アルファを意味する造語です。
機械自身に調整、材料の搬入、製品の搬出、メンテナンスなどを行う機能を持たせることで、
生産現場の働き方を改革し、今後労働人口の減少が予測される中で、
よりよい社会の実現に向けて新たな価値を提供することを目指しています。
「壮大な目標ですが、容易に達成できるような目標を掲げるよりは、
高い目標に向けて努力することが大切だと考えています。」
旭精機工業の高い志を感じさせる力強い言葉でした。
一人ひとりの成長が会社の成長
取材の最後に会社の人材育成や福利厚生について尋ねてみました。
「製造業の会社ですので、人材を一番大切にしています。
社員一人ひとりの成長がそのまま会社の成長につながりますから。」
「入社から10年間程度、ジョブローテーション制度を採用し、社員の能力向上を図っています。
ローテーションにあたっては面談を重視し、適性を考慮しながら配置を決定しています。
例えば、今ドイツの駐在所に常駐しているのは20代の若手社員ですが、
本人が早くから海外勤務を希望しており、その熱意を買って派遣を決定しました。」
看護師が常駐する診療所を設置するなど、生産現場における安全対策からも、
社員を大切にする姿勢が伝わってきます。
(取材当日の現場では、若手社員が熱心に働いていました。)
また、市内に長年立地する企業として、社内有志で組織する「あさひ愛の基金」から
市にピアノをはじめ様々な寄付を行うなど、地域貢献に努めてきました。
今後についても、「我が社の新卒採用者3年後の定着率100%、平均勤続年数19年は、製造業としては
どちらも比較的高い水準になっています。また尾張旭市にある本社勤務率96%ということで、
この地域で長く勤めたいと思っている方と一緒に働いて、地域を盛り上げていきたいですね。」
と、地域密着の企業として思いを熱く語ってくれました。
コラム
【旭精機工業株式会社と旭サナック株式会社】
敷地が隣接するこの2つの会社、どちらも名前に「旭」が入っているので、
グループ会社だと思っている方も多いと思います。
中には一緒の会社と思っている方もいるかもしれません。
実はこの2社は同じ会社にルーツを持ちますが、グループ会社ではなく、それぞれが独立した会社で、
作っている製品も大きく異なります。
何を作っているか気になった方は、それぞれの紹介ページをぜひご覧ください。
基本情報
企業名:旭精機工業株式会社
設立:昭和28年8月11日
代表者:取締役社長神谷真二
資本金:41億円
従業員数:492名(2024年4月1日現在)
所在地:尾張旭市旭前町新田洞5050-1
公式ホームページ:https://www.asahiseiki-mfg.co.jp<外部リンク>
Tel:0561-53-3112/FAX:0561-52-4158