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クリオン株式会社名古屋工場
クリオン株式会社名古屋工場
市内を東西に流れる矢田川、そこに架かる宮下橋を少し東に進んだ先に、
一日にトラック約80台分ものコンクリートパネルを出荷している工場があります。
クリオン株式会社名古屋工場です。
クリオン株式会社はALC(軽量気泡コンクリート)製品の総合メーカーで、
建築材料や農業用資材まで幅広いラインナップの製品を取り扱っています。
西日本各地に出荷される製品の製造は本工場が一手に引き受けており、
一般住宅から超高層建築物やショッピングモール・工場などの大規模建築物まで、
現代建築に欠かせない建築材料として、社会を広く支えています。
沿革
昭和45年10月設立の小野田エー・エル・シー株式会社が、平成12年7月に日本イトン工業株式会社と
日本シポレックス工業株式会社からすべての事業を譲り受け、商号を現在のクリオン株式会社に変更しました。
クリオン株式会社は、群馬県伊勢崎市にある関東工場と尾張旭市にある本工場の2工場を持ち、
関東工場の製品は東日本、本工場の製品は西日本各地へと出荷しています。
取材時にもフォークリフトが広大な工場敷地内をきびきびと走り回り、
大型トラック・トレーラーが多く出入りしていました。
本工場は、操業当初から現在まで移転せず同じ土地で一貫してALCを製造・販売しているとのことです。
ALCとは
ALCとはオートクレーブ養生という特殊な製造工程を経ることで、
内部に無数の小さな気泡が入ったコンクリートのことです。
オートクレーブ養生という聞きなれない単語ですが、
分かりやすくいうと高温高圧の窯の中でコンクリートを蒸すようなイメージです。
この窯の中でオートクレーブ養生を行います。
そうしてできたALCは水に浮くほど非常に軽量で、
耐火性、断熱性、遮音性が高いといった優れた性質があります。
クリオン株式会社では、ALCを平板状のパネルに成型し、
安全・安心・快適な街づくりに欠かせない建築材料として販売しています。
通常のコンクリートの約25%というその軽さと、パネルの取付構法によって
耐震性にも優れており、全国各地のランドマークとなっている超高層建築物にも
採用されているそうです。
また、ALCパネルの表面に多彩な模様を入れることもできるのがクリオンの特長で、
外壁用パネルとして、オリジナリティ溢れる高い意匠性で建築物を彩っています。
意外な使い道
ALCパネルの端材を細かく砕いて作るケイ酸カルシウムは、
作物への吸収がよく持続性もあり、農業用肥料として優れた性質を持っているため、
米作りや各種野菜・花きなどの栽培に、幅広く利用されています。
また、ALCの特性上、ケイ酸カルシウムには無数の小さな穴が開いているため、
高い吸水性や悪臭を吸着する特性があり、畜産用資材としても活用されています。
取材時には、北海道への出荷待ちの製品が多数並べられていました。
福利厚生・安全対策
企業理念・行動指針の中で「自己研鑽に努め、プラス思考で前向きな姿勢を持ち続けます」と
掲げているとおり、社員一人一人が主体的に挑戦する企業風土を大切にしており、
教育制度を整備して社員の挑戦と成長を支援しています。
また製造業の企業として工場内の安全対策は特に力を入れており、労働安全衛生法が定める
安全衛生委員会に加えて安全推進委員会を組織し、
ヒューマンエラー対策など安全なものづくりの現場構築に取り組んでいるそうです。
環境への取組
クリオン株式会社は環境省から廃棄物の減量や適正な処理に関する広域認定制度の認定を受け、
建築現場で発生するALC端材を回収して再利用できるシステムを構築しています。
製造過程で発生する端材の再利用と併せて、
高い環境貢献性が会社の大きなアピールポイントだといいます。
社内青年部が先頭に立ち、市が行っている矢田川河川敷の清掃活動にも例年参加しており、
地域の環境美化への意識も窺えます。
環境への意識が年々高まる中で、建築資材ALCの製造を通してだけでなく、
環境への貢献といった側面からも社会を支える存在であると感じられました。
基本情報
企業名:クリオン株式会社
設立:昭和45年10月
代表者:代表取締役社長 牛木保司
資本金:30億7,514万1,443円
従業員数:311名
所在地
名古屋工場:尾張旭市下井町下井2035
本社:(東京都江東区越中島1丁目2-21ヤマタネビル6階)
公式ホームページ:https://www.clion.co.jp/<外部リンク>
Tel:名古屋工場0561-53-5011/本社03-6458-5400