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本市の給食は、学校給食センターで調理し、市内の全小・中学校へ届けています。栄養バランスのとれた食事で子どもたちの健やかな成長を支えるため、地域の新鮮な食材を取り入れ、心のこもったおいしい給食づくりに努めています。今回は、学校給食を特集します。
学校給食は1889(明治22)年に始まり、その後、全国へと広がりました。しかし、戦争が激しくなり、中断されます。戦後に学校給食を求める声が多くあり、外国から給食用の食材が送られるようになり、再開しました。12月24日を「学校給食感謝の日」と定め、冬休みと重ならない1月24日~1月30日の1週間を「全国学校給食週間」としました。この期間は学校給食の理解を深め、関心を高める期間とされています。

おいしい給食をいつもありがとう
旭小学校で随時、補食給食(すいとん、みそ汁)の提供を開始。補食給食では、主食のご飯やパンを家庭から持参していました。
現在の多世代交流館いきいきの場所(稲葉町)に、第一学校給食共同調理場を開設。開設後は、市内全小・中学校分をまとめて調理する体制となりました。また、1975(昭和50)年には狩宿町に第二学校給食共同調理場を開設しました。
第一学校給食共同調理場
当時の調理風景
第一・二学校給食共同調理場を閉所し、旭前町に現在の学校給食センターを開設。開設に伴い、アレルギー対応給食(卵・乳)の提供、焼き物・あえ物・サラダメニューの追加、食器をポリプロピレンから強化磁器食器に変更しました。
現在の学校給食センター
2020(令和2)年に牛乳を瓶から紙に変更。栄養バランスを考えて多くの食材を使用するとともに、季節に合わせた旬の食材を使うよう工夫しています。

栄養バランスを基本に季節の食材や地元でとれた野菜を積極的に活用しています。また、食文化を伝えるために行事食を取り入れる工夫もしています。
納入された食材は、品質や数量などを確認し、検収表に記録します。
三槽になったシンクを使い、必ず3回以上洗います。洗いながら傷んでいる部分や、泥・ほこりの付着を一つ一つ確認し、取り除いていきます。

下処理した食材をフードスライサーなどの機械で食べやすい大きさにカットします。ジャガイモなどは色が変わらないよう水に浸しておきます。

一度に1,000人分の調理ができる大きな釜を使い、2人で混ぜ合わせます。混ぜ合わせるだしは、既製品に頼らず、かつお節などから丁寧に取っています。
焼き物は、食材を蒸気の力で焼き上げるロースターと呼ばれる機械内のコンベアに並べ、移動させながら調理します。揚げ物は、フライヤー(揚げ物機)を使用し、油は菜種油を使います。
食中毒防止のため、すべての野菜を一度ゆでます。90度以上に加熱されているかを確認した後、真空冷却機で冷やし、よく混ぜ合わせます。
調理された給食をクラスの人数分ずつ食缶やバットに入れます。食缶は保温力に優れたステンレス製二重保温容器を使います。
学校へ配送するため、学校・クラス名を確認して食缶などをコンテナに積み込み、6台の配送車で各学校に届けます。
全国で、食物アレルギーがある児童・生徒は増加傾向にあり、本市でも年々増えています。食物アレルギーは、意識障がいや呼吸困難などの生命に関わる重篤な症状を引き起こすこともあり、慎重に対応する必要があります。学校給食センターでは、アレルゲン食材の混入を防ぐため、専用の調理室を設け、卵と乳のアレルギーに対応した代替食・除去食を実施しています。また、本市では、アレルゲン特定原材料など28品目のうち、「そば・落花生・くるみ・あわび・いくら・カシューナッツ・キウイフルーツ・マカダミアナッツ・やまいも」の9品目は使用していません。

牛乳の代替の豆乳は、保冷ボトルに入れて学校に配送します。

アレルゲン食材の混入を防ぐため、卵・乳・乳製品を持ち込まない、専用の調理室で揚げます。

確認表に合わせ、容器に学校、クラス、氏名を明記します。

配膳の間違いがないよう1人ずつ専用の配送用バットに入れて学校に届けます。コンテナにも表示するよう徹底しています。
月2回、食物アレルギーのある児童・生徒がアレルギーのない子どもたちと同じものを食べられるように、おかずから8大アレルゲンを除去した給食を「あさぴースマイル給食」として提供しています。令和5年からは年に1回、おかずから、調味料を除くアレルゲン特定原材料28品目を除去した「もっと! あさぴースマイル給食28」も提供しています。
給食への関心を高めるため、毎年子どもたちから献立を募集しています。過去の応募献立や学校給食で人気のレシピは下記サイトで紹介しています。
レシピサイト「クックパッド」<外部リンク>
本市では3人の栄養教諭が、旬の食材や行事食を取り入れて季節感を出し、子どもたちの顔を思い浮かべながら、食材や味付けが重ならないよう気を付けています。月曜日はカレーやビビンバなど人気メニューを組み込み、登校が楽しみになるような工夫もしています。
学校給食は成長期の子どもたちに必要な栄養バランスの確保が重要です。例えば、呉汁には苦手な子が多い大豆をミキサーで細かくして加えたり、苦手意識の強い魚料理は揚げ物で提供したりするなど、栄養バランスを保ちながら食べやすさにも配慮しています。
学校給食は「生きた教材」です。給食を通じて、子どもたちの心と体を育み、「食」の大切さを伝えていきたいです。
子どもたちにおいしく食べてもらうことが大切と感じつつ、大量調理の特性上、万が一の食中毒が多くの被害につながるため、何よりも安全安心な給食づくりを心掛けています。包丁などの刃物や食材用カゴは、使用前後に目視確認し、チェック表に記録します。食材の受け取りや、泥付きの野菜などを洗う際は食中毒原因菌付着のリスクが高いため、加熱調理中などに着用する白衣とは別の服を着用します。ソフト面の対策として、他センターで発生したアクシデントなどの事例を密に共有し、日頃から衛生意識を高めています。
アレルギー対応給食にも細心の注意を払い、ダブルチェックはもちろんのこと、作業動線の交差によるアレルゲン食材の混入を防ぐため、前日の調理員ミーティングでは、アレルギー食責任者から当日の流れを全調理員に共有します。
栄養教諭の皆さんが一生懸命考えた献立を、調理員一同が細心の注意を払って調理した学校給食です。食べ残しが少ないことは、私たちの自信につながるので、できるだけ残さず食べてくれるとうれしいです。
(1) もやしはさっとゆで、卵はいり卵にする
(2) 切干大根は水で戻し、長ければ切る
(3) 牛肉を細切りにして、炒める
(4) (3)におろしたニンニクとしょうが、千切りにしたニンジンを加え、さらに炒める
(5) (4)にたれの材料を入れてよく混ぜ、(1)・(2)を入れて余分な水分を飛ばすように炒める
(6) (5)にごま油、いりゴマを入れて出来上がり
第1位 ビビンバ
第2位 ハンバーグ
第3位 からあげ

45年前に農地を譲り受けたことをきっかけに米作りを始め、定年退職後には、野菜づくりにも取り組むようになりました。現在は、大根・キャベツ・ネギなどの野菜を農協へ出荷し、農協が学校給食センターに納品しています。近年は温暖化の影響で、これまで見たことのなかった病気の発生が見られ、毎年手探りの状態で栽培を続けています。そのような状況ですが、良いものを出荷したいという想いから、品質には特にこだわっています。農薬の散布を必要最低限にとどめるため、その分手間はかかりますが、品質につながる作業に手間を惜しみません。
子どもたちにはできるだけ地元でとれた新鮮な野菜を食べてほしいので、丹精込めて育てた野菜を食べてもらうことはうれしく、やりがいにもつながります。学校給食は「食」に関わる多くの人たちの手を経て子どもたちの元に届けられます。食材への感謝の気持ちを忘れず、思いやりを育みながら食べてほしいですね。
和食の料理人として働いていましたが、子育てを機に興味のあった野菜づくりを始めてみたいと思い、県主催のニューファーマーズ研修や市と農協主催の農学校の制度を利
用して1年前から本格的に野菜づくりを始めました。日々の農作業では、「今必要な作業は何か」と常に考え、野菜を細かく観察し、虫や病気の発生に細心の注意を払っています。また、地元野菜は他の産地のものよりも鮮度が高いですが、より新鮮さを保つため、手間はかかっても出荷直前に収穫しています。「たくさん食べてほしいな。元気に大きくなってね」と想いを込めて作った野菜が、学校給食に使われるのはうれしいことです。
子どもたちにとって、学校給食は当たり前の存在かもしれません。豊かな自然が与えてくれる太陽・土・水は大切な資源であり、食べられること、おいしいことは幸せだと、学校給食を通して少しでも感じてもらいたいですね。
学校給食に並ぶ、野菜やお米の多くは、地元農家の皆さんが愛情を込めて育てたものです。JAあいち尾東は、子どもたちの健やかな成長を願い、この「地元の味」を届けるため、季節や献立に合わせて食材の調整や出荷を行い、農家と学校給食センターをつなぐ架け橋としての役割を担っています。この連携こそが、地域全体で子どもたちの「食」を支える体制の根幹と考え、定期的な意見交換を通じて、生産状況や調理現場の声を共有し、「安全・安心・おいしい」給食づくりに努めています。
皆さんが食べている食材は、自然の恵みと農家の皆さんの努力の結晶です。食べ物を残さず、「いただきます」「ごちそうさま」を言うことは、食材の命を大切にすることや給食に関わるすべての人への感謝につながります。食べることは生きること。学校給食が、地域の恵みを味わい、地元の自然や食文化を学ぶきっかけとなることを願っています。
子どもたちへの食育は、生涯にわたって健やかに生きていくための基礎となる、とても重要なものです。身近に感じてもらえるように、さまざまなイベントを実施しています。
名古屋経営短期大学の学生による絵本の読み聞かせ後、その絵本や物語に出てくる献立や食材を使った給食が提供されます。

普段入ることができない調理室の見学や調理の疑似体験などができる、毎年抽選となるほどの大人気イベント
親子のふれあいを通して食の大切さを理解してもらうため、学校給食の調理員と連携して実施
「地域生産・地域消費」を短くした言葉で、その地域でとれる農産物などをその地域で消費することです。輸送手段の発達により、日本全国や海外からたくさんの食材を運ぶことができますが、遠くのものより、近くの安全なものを食べようという地産地消の声が高まっています。
身近で作られているので、どのような人が、どのような場所で、どのように作っているかがすぐに分かり、新鮮で安心な食べ物を食べられます。また、生産物を輸送する時間が短くて済むため、環境にもやさしいです。
毎年、県全体で6月19日の「食育の日」を中心に実施。この日の献立は尾張旭市産や県内産の食材をたくさん使い、地域の新鮮な食材に触れ、味わうことができます。
旬の食材が豊富な10・11月ごろに、県の郷土料理や市・県内産の食材を豊富に使った献立が一週間登場します。
市内の生産者と小学校の児童が一緒に給食を食べ、ふれあいを深めながら食の大切さを学びます。