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所信表明

ページID:0015529 更新日:2023年3月9日更新 印刷ページ表示

令和5年3月市議会定例会にて、柴田市長が所信表明を述べました。

柴田市長所信表明の画像

所信表明(全文)

 皆様、おはようございます。第6代尾張旭市長に就任しました 柴田 浩です。

 令和5年第1回尾張旭市議会定例会に臨み、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。

 所信表明に先立ち、先般の市職員の不祥事に関し、行政の長として深くお詫びを申し上げます。今回の不適切な会計処理は、市政に対する信頼を著しく失墜させ、誠に遺憾であり痛恨の極みであります。迅速かつ公正な対応策として、2月10日に市長直轄のタスクフォースである「調査検証チーム」を庁内で立ち上げ、併せて学識経験者から意見を伺う「尾張旭市職員の公金詐取に関わる再発防止等検証会議」も設置しました。現在、詳細な検証に全力で取り組んでおり、反省点と再発防止策を早期に取りまとめ、市民への説明責任を果たすことで、市政への信頼回復と、職員の綱紀粛正の徹底を図ってまいります。

 さて、今回の市長選挙は「無投票」という形で終わりましたが、これは多くの方々の力強い御支援により、私への支援の輪が市内全体に広く浸透し、市民の皆様の御賛同を得た結果であると捉えております。

 ただ、私の考えを直接お伝えする機会は十分ではなく、この場をお借りして、議員各位のほか、市民や事業者の皆様に、私の市政に対する所信の一端を述べさせていただきます。

基本姿勢

 私は、学生や会社員の時代に僅かな期間、当地を離れたことがあるものの、尾張旭で生まれ育ち、その居心地の良さから生まれる、恵まれた日常に対し、日々有り難みを感じておりました。

 特に本市は、暴風雨や地震などの自然災害に強く、犯罪発生率の状況も悪くありません。また、クリニック等の医療施設が多く、かかりつけ医に、さほど困ることはありません。

 さらに公園緑地などの自然が豊かな一方で、スーパーマーケットや飲食店も身近にあり、鉄道をはじめとした公共交通網も充実しております。こうした、バランスの取れた住みよい街は、長年にわたる多くの方々の、たゆまぬ努力の賜物であります。

 そうした中、早くも就任から1か月が過ぎようとしておりますが、8万4,000市民のリーダーとして、課された使命の大きさや、職責の重さを日々痛感しております。現在、市が取り組んでいる事業の多くは、先人が既に様々な検討を重ねた結果であり、相応の理由によって今の状況にあるものと考えております。

 このため、市民の皆様とのふれあいや対話を通じて、市政への御意見をお聞かせいただき、これまでの取組を的確に評価することから着手します。多くの方々からアイデアや知恵を集めれば、必ずそこに「新たな種」が生まれます。水やりを怠らなければ芽が出て、花が咲き、実を付けることができます。この成果の実を、市民の皆様と一緒に分かち合ってまいりたいと考えております。

 現在の地方行政には、事業の継続性とともに、時代に適応した柔軟な変革も求められています。先日、御退任された森和実前市長は、本市始まって以来の大事業であった「全国植樹祭」を成功裏に開催されました。そして、何よりも市民の命を守るため、「コロナ禍」という非常事態に全力で立ち向かい、議員各位の多大なる御支援のもと、早期のワクチン接種や各種の支援策を実施されました。またその一方で、子育て支援策や印場駅のバリアフリー化、稲葉地区への企業誘致といった数多くの事業も手掛けるなど、見事「オンリーワンのまちづくり」を実現されました。

 私は、スローガンを「市政の安定とさらなる発展を!」とし、市民・議会・行政が同じベクトル上で、それぞれの役割を果たしながら、市民生活にとって、より良い形を追求していく姿を思い描いております。そして、市政のレガシーを、次の世代へと確実に引き継ぐため、堅実かつ着実な発展を、我が故郷「尾張旭」にもたらしたいと考えております。

 もとより私には政治・行政の経験はありませんが、民間企業での42年間の経験と実績のほか、企業経営の知見を生かし、従来とは異なった視点から、斬新な発想で市政に新しい風を吹かせてまいりたいと考えております。何かと足らざる点も多いことと思いますが、皆様方の御指導や御鞭撻を賜りながら、市政発展のため、粉骨砕身、全力を尽くしてまいります。

課題認識

 私は、企業人であった時から、「少子超高齢化」と「人口減少」が、我が国をむしばむ深刻かつ最大の課題であると認識しておりました。5年後や10年後の自身や家族、家庭の姿を想像しますと、こうした現状は正に「今ここにある危機」であると考えます。

 しかし、流入人口が流出人口を上回るような方策を、早急に、また真剣に考えれば、今ならこれに抗うことができると考えます。そのためには、「住みやすい街」に関する取組だけでなく、同時に「住みたい街」へと変貌するための取組も必要となります。

 自分の子どもや孫が社会人となり、また家庭を築くとき、「やっぱり生まれ故郷に住みたい」と思ってくれるような街であって欲しいわけです。子育て世代に、尾張旭を終の棲家に選んでもらえるような街づくりを、今後さらに目指す必要があります。

取組内容

 そこで、今回の立候補の際には「もっと住みやすい街へ やっぱり住みたい街へ」をキャッチフレーズに、その実現に向けた重点施策を、6項目に分けてお示ししました。このため、以下その分類に従って、具体的な内容の一端を述べさせていただきます。

安全安心

 まず1項目目は、市民生活の基盤であり、本市のさらなる発展に欠かせない「安全安心」です。

 本市は地勢的に「天の恵み」と言えるほど、自然災害に強い地域にあります。しかし、この状況に甘んじることなく、さらに強靱なものとするため、「大規模災害に備えた体制等の強化・拡充」や「浸水対策・雨水幹線等の整備の推進」、そして「地域防災力の強化」等の施策を進めてまいります。

 なお、この項目に関しては、猶予なく直ちに取り組む必要があります。このため、非常事態時の対応方法や役割分担、避難所と防災倉庫の現地確認など、災害シーズンが到来する前に、準備しておくべき事項の確認を既に済ませたところです。

健康・福祉

 続いて2項目目は、「健康・福祉」です。

 私は、愛犬との散歩を通じて、運動不足の解消とともに、御近所の皆様との会話も楽しんでおりますが、健康維持のためには、こうした「心身の調和」に関する取組が大事だと考えております。

 本市では、いち早くその必要性に着目し、「健康都市」の取組を、国際的な評価のもと、長年にわたって進められてきました。中でも私は、予防的な観点での取組に共感を覚えており、その重要度は、今後ますます高まるものと予想されます。このため、「健康都市」の取組は、今後も継続して実施してまいります。

 「新型コロナウイルス感染症」に関しては、現在、国において対応の見直しが進められておりますが、市町村としては、引き続き市民に寄り添った対応が必要だと考えます。このため、「感染症対策の充実・強化、ワクチン施策の推進」や「地域医療・福祉医療の充実」、そして「介護サービス・認知症対策の充実」等の施策を進めてまいります。

子育て・教育

 次に、3項目目と4項目目は、「子育て・教育」と「経済・多様性」です。

 「住みたい街」へと変貌し、「流入人口の増加」や「少子超高齢化対策」を推進するためには、「子育て・教育」の充実と「地域経済」の活性化が同時に必要となります。

 まず「子育て・教育」につきましては、「保育園や放課後児童クラブの整備」のほか、「確かな学力を育む教育の推進」、そして「地域と学校の連携・協働による教育の実現」等の施策を進めてまいります。その際には、図書館や児童館も活用し、生涯にわたる学習の充実、スポーツの質的向上と裾野の拡大、さらには地域に根差した伝統文化の継承支援など、ソフト面の充実にも取り組んでまいります。

経済・多様性

 次に、「経済・多様性」につきましては、「中小・小規模事業者等への支援」や「スタートアップの創業支援」、そして「事業継続への支援」等の施策を進め、事業者や勤労者の方々を応援してまいります。特に「名古屋市からの距離感」や「マーケティング上の住民構成のバランスの良さ」等といった「尾張旭の強み」を売りにして、車の自動運転やオンデマンドバス・タクシーなど、企業の社会実証実験などを積極的に誘致し、事業所の新設や若い世代の流入等にもつなげてまいります。

環境・都市基盤

 最後に5項目目と6項目目は、「環境・都市基盤」と、「共創・行政経営」です。

 まず「環境・都市基盤」につきましては、「三郷駅周辺街づくりの推進」や、「公共交通の充実、高齢者等の移動支援」、そして「愛知県森林公園の活用推進」等の施策を進めてまいります。中でも、「三郷駅周辺整備事業」や、美しい街並み整備に寄与する「北原山土地区画整理事業」につきましては、その着実な推進に努めてまいります。

共創・行政経営

 次に、「共創・行政経営」につきましては、「自治会・町内会活動支援の充実」や「SDGsの取組の推進」、そして「高齢者等に向けたデジタル活用の支援」等の施策を進めてまいります。市長に立候補して以来、多様な市民活動に触れることができ、皆様が「尾張旭を良くしたい」という思いを、共通してお持ちであることを強く感じました。このため「市民の皆様の諸活動と行政が連携し、街づくり・地域づくりを補完しあう」、そうした積極的な関わりを市民の皆様にもお願いしながら、共に活力ある尾張旭を創ってまいります。

 なお、その他にも実施すべき重要な課題は、いくつもあるかと思いますが、今後、議員各位はもとより、市民や事業者の皆様とともに、確固たるものに仕上げてまいります。また、その際には、事業の重要性や緊急度をもとに、優先順位を総合的に判断し、メリハリの利いた行政運営を進めてまいります。

意識共有

 これらの事項に対する共通認識を高めるため、2月3日の初登庁の日、職員に訓示を行い、次の4つを申し上げました。

 まず1つ目は、風通しの良い職場環境の創出です。先般の職員の不祥事を踏まえ、公務員としての自覚を強く持ち、信頼回復に向け職員が一丸となって、高い倫理観を持ち、しっかりと職務に取り組んでいくことを求めました。

 次に2つ目は、私の座右の銘を紹介しました。京セラの創業者・稲盛和夫さんの言葉です。「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」。名鉄百貨店の社長時代、名駅再開発プロジェクトに対応する経営戦略会議の計画推進理念として、この言葉を冒頭に唱えて会議を始めました。様々な課題に対処するとき、この言葉を思い出して前へ進んでもらいたいとの思いです。

 そして3つ目は、私が立候補の際に掲げた「みんなで創ろう!笑顔あふれる尾張旭」についてです。子供たちの歓声が聞こえ、若い世代から高齢者世代までが幸せに暮らせる街づくりを目指し、活気あふれる豊かな市民生活が世代を超えて長く続くように、中長期を見据えて取り組んでいくことを求めました。

 最後の4つ目は、「接客サービスの向上」です。職員が丁寧に市民と接しつつ、日々の仕事に向き合っていることを踏まえた上で、たった一人、たったの一言が、多くの職員が積み上げてきた高い評価を台無しにしてしまうことが往々にしてあります。そこで、まずは「朝の挨拶運動」から始めてもらうことにしました。元気よく笑顔の「おはようございます」の徹底です。

 行政サービスは、地域社会・市民生活の血液です。これら4つの共通認識のもと、全職員が高い志を持って市政に取り組むことを共有しました。

 

 以上、現時点で私が考えていることの一部を申し上げました。まだまだ十分とは言えない内容ではありますが、市政を担う向こう4年間において、これらの施策を目に見える形で推進し、市政の着実な前進と尾張旭の発展の成果をもって、市民の皆様の御期待に応えてまいります。

 昨日よりも今日、今日よりも明日がもっと輝ける街、その実現のために最善を尽くしてまいりますので、市民の皆様や議員各位の多大なる御理解と御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。

 ありがとうございました。

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