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施政方針

ページID:0023236 更新日:2025年3月27日更新 印刷ページ表示

令和7年度施政方針(全文)

 令和7年第2回尾張旭市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に関する所信と、令和7年度における重点施策の概要を申し述べます。

はじめに

 私が市長に就任してから、はや2年が経過しました。この間は、市民や各種団体、事業者の皆さまとのふれあいや対話を通じて、ふるさと尾張旭への愛着や、魅力あるまちづくりへの期待感を肌で感じることができた、充実した日々でありました。

 さて、私は、行政の行政たる一番の特徴は「継続」であり、ミスなく、切れ目なく、行政サービスを提供し続けることが基本であると考えています。行政を取り巻く環境は、社会情勢や国・県からの要請、市民の皆さまのニーズなどにより、常に変化しており、それに対応するためのアップデートを繰り返しながら、質の高い行政サービスの提供に努めることが肝要です。

 そこに、私のこれまでの企業人としての経験や知見、人脈などを活かした企業連携の取組などを通じて、新たなアイデアや発想を取り入れながら、今後のまちづくりを進めてまいりたいと考えています。

 そのため、スピード感のある意思決定や実行を心掛け、1年目から一所懸命に事業の種を蒔いてきました。多くの方々の理解と職員の力を得て、少しずつ芽吹いており、中には、すでに実を結んだものもあります。例えば、名古屋鉄道との包括協定では、将棋とれいん第二局やあさぴートレインの運行、みんなで健康生き活きシンポジウムの開催と、次々に新たな取組が実現しました。同じく協定を結んでいる中日ドラゴンズとは、本年4月からドラゴンズベースボールアカデミー尾張旭市校が始まります。

 また、歴代の市長から引き継いだ健康都市に関しては、これまでの本市の取組が評価されたことにより、昨年9月に韓国で開催された健康都市連合国際大会において、日本で唯一のWHO表彰を受賞しました。健康都市の取組を始めて20周年という節目に、こうした評価を受けたことを大変うれしく思っています。

 そして、昨年11月には、日本紅茶協会の「おいしい紅茶の店」認定店が、これまでの「人口一人当たりの店舗数が日本一多い」から、私の悲願でもあった実店舗数でも日本一を獲得し、名実共に「おいしい紅茶日本一のまち」となり、感無量です。

 市長就任3年目を迎え、今後も、これらの取組のポテンシャルを大きな魅力・強みとして伸ばすことで、シティプロモーションに励んでまいりたいと考えています。

 令和7年度は、市制施行55周年という節目の年となります。施策においては、一丁目一番地として注力してきた防災をはじめとする「安全安心」のまちづくりを引き続き進めてまいります。本市は災害に強い恵まれた土地柄ではありますが、市民の皆さまの生活を守るため、突然起こりうる災害を想定内とし、迅速に対応できる体制の強化を図ります。

 さらに、私が最も深刻な課題と考えている人口減少・少子超高齢社会に抗う施策として、現時点でプライオリティが高い「子育て・教育」を最重要施策に加えます。

 子育てにおいては、保育所の整備を進め、待機児童対策に注力すると共に、こども家庭センターの開設により、母子保健と児童福祉の一体支援体制を整えてまいります。

 また、学校教育においては、子育てから教育への切れ目のないスムーズな行政サービスの提供や、誰一人取り残さない教育の実践を目指し、教育環境の整備やデジタル化を推進します。

令和7年度における重点施策の概要

 それでは、令和7年度における、重点施策の概要について、申し上げます。

重点施策1「安全安心」

 はじめに、重点施策の1項目め、「安全安心」についてです。

 これまでも「防災」については、最優先の施策として、力を入れて取り組んできましたが、昨年の能登半島地震、またその後の能登半島豪雨での被災地支援を通して得た教訓を生かして、施設・資機材整備や計画、訓練等を見直しながら、防災体制の更なる強化を図ります。

 災害時の指定避難所である公民館や東部市民センターについては、トイレの洋式化工事を、3中学校の体育館と柔剣道場では、空調整備工事を実施し、各所の環境改善を推進します。

 特に、令和6年度から取り組んでいる中央防災倉庫の新設については、発災時の限られた人員でも効率的な物資搬送ができるように、保管方法などを工夫した革新的な防災倉庫となるよう整備を進めています。

 また、能登半島地震で甚大な被害が生じた上下水道施設では、水道管の耐震化を進めると共に、西部浄化センターの耐震診断を行い、震災時における機能維持を図ります。

 そして、大規模災害が発生しても機能不全に陥らない「強靱な地域」をつくりあげるため、国土強靱化地域計画を、国や県の計画改定に合わせて改定します。

 次に、防災以外の「安全安心」施策について、消防・救急体制では、本年4月から、名古屋市等との消防通信指令業務の共同運用を開始します。また、庁舎や消防車両の老朽化に対応するため、消防庁舎の仮眠室の空調改修を実施するとともに、消防団車両についても、普通自動車免許で運転できる車両に更新を行います。

 交通安全対策では、生活道路整備基本計画に基づき、「暮らしのみち整備地区」に指定した庄中南地区において、ゾーン30プラスの指定や防護柵設置などの取組を進めます。

重点施策2「健康・福祉」

 次に重点施策の2項目め、「健康・福祉」についてです。

 「健康」に関しては、健康都市の取組を引き続き推進していくほか、令和6年度から開始した帯状疱疹ワクチン接種費用の助成では、定期接種化されることに伴い、高齢者の方の自己負担額を軽減するなど、内容の充実を図ります。また、風しん予防接種についても、接種対象者を拡大するなど、予防接種制度の充実に取り組みます。

 これら健康づくりの拠点であり、災害時の福祉避難所でもある保健福祉センターについては、空調設備の改修が令和7年度中に完了することから、平時だけでなく、災害時にも空調機能維持が可能となり、安心して利用できる環境が整います。

 「福祉」では、障がい者計画や高齢者保健福祉計画の改定に取り掛かるほか、国の交付金を活用した日常生活支援券の上乗せ支給や、新たな地域包括支援センターの開設に向けた準備など、障がい者・高齢者の方への支援を推進します。

 また、国民健康保険については、被保険者数の減少や医療費の増加などにより、厳しい財政運営となる中、保険税の急激な上昇の緩和を図るために、一般会計からの財政支援を行い、被保険者の経済的負担を軽減します。

重点施策3「子育て・教育」​

 次に重点施策の3項目め、「子育て・教育」については、令和7年度、特に注力すべき施策と考えています。

 人口減少・少子超高齢社会の問題は、本市においても喫緊の課題ではありますが、北原山土地区画整理事業の進展や、共働き世帯の増加などにより、当面は保育需要が高まるものと想定されます。

 そこで、「子育て」に関しては、待機児童問題にスピード感を持って対応するため、令和8年度開園に向けた民間保育所の新設を推進します。

 保育園では、第二子以降の保育料の無料化・軽減や、指定管理園保育士の処遇改善に取り組むほか、空調設備の改修や遊戯室の床修繕を実施し、保育環境の充実を図ります。

 また、放課後児童クラブの待機児童解消のため、定員拡充を図る既存民間学童クラブの移転について、施設改修費等の補助金を交付します。

 そして、こども子育て部に、こども家庭センターを所掌する「こども家庭課」を新設し、母子保健と児童福祉の両面で、一体的な相談支援体制を整えます。

 「教育」では、先に述べた3中学校の体育館等への空調設備設置を完了させると共に、三郷小学校のエレベーター改修のほか、学校の声も反映しながら、計画的に安全かつ質の高い教育環境の整備を着実に進めてまいります。

 そのほか、小学校における民間プール施設を活用した水泳授業の実施を、全9校に拡大すると共に、デジタル教育の推進のため、児童生徒のタブレット端末の更新を進めます。

国際教育の推進としては、中学生海外研修事業で交流を続けてきたオーストラリアの生徒を、本市に招待するフレンドシップ事業を実施し、国際交流による人材育成の機会を設けます。

 いじめ・不登校対策については、教育支援センターの利用者増加に伴い、保護者連絡システムの運用を始めるほか、西中学校に校内教育支援センターを開設するなど、児童生徒や保護者の支援体制の更なる強化を図ります。

 また、長引く物価高騰に対する支援として、令和6年度に引き続き、小中学校の給食材料費の高騰分の公費支援額を拡充して、子育て世帯の経済的負担を軽減します。

 生涯学習では、「二十歳の集い」を中学校区ごとの会場から文化会館1か所に集約して開催し、より効率的な運営に努めると共に、市制55周年の記念として、ふるさと大使をゲスト招待するなど、新成人の記憶に残る楽しいイベントとなるよう工夫したいと考えています。

重点施策4「経済・多様性」

 次に重点施策の4項目め、「経済・多様性」についてです。

 「経済」に関しては、物価高騰や人手不足が地域経済に影を落としているところですが、行政としてでき得る様々な支援策を講じて、商工会や農協、観光協会、ハローワーク瀬戸などの関係団体と緊密に連携をしながら、地域経済の活性化を図ります。

 事業者への物価高騰対策としては、省エネ設備導入・更新の補助金のほか、小規模企業等補助金の内容を拡充し、ニーズに即した支援の実施に努めます。

 また、尾張旭の魅力商品開発プロジェクト「旭色」は、第5弾をスタートさせ、おいしい紅茶のまちのPRと共に、一層の推進を図ります。

 農業振興では、次世代を担う人材を育成・確保するため、農地のあっせんや農業施設等の資金援助、販路の確保などを通じて、新規就農者を支援します。

 「多様性」では、第3次男女共同参画プランを本年4月からスタートさせ、ジェンダー平等社会の実現に向けた取組を引き続き進めます。

 また、令和7年度は、愛知万博20周年に当たることから、当時のフレンドシップ国であったトンガ王国との交流イベントを開催し、そのきずなを深めます。

 そして、外国籍の住民も増加していることから、市民団体との連携を深め、需要に応じた日本語教室を引き続き開催するなど、互いの人権を尊重し、多様性を認め合うことができるまちづくりを進めます。

重点施策5「環境・都市基盤」

 次に重点施策の5項目め、「環境・都市基盤」についてです。

 「環境」に関しては、第2次環境基本計画に基づき、地球温暖化対策や資源循環の推進、自然環境との共生などの取組を進めます。中でも、地球温暖化対策については、市役所庁舎の照明器具のLED化を進め、温室効果ガスの排出抑制に努めます。

 公園・緑地については、次期の緑の基本計画の策定をはじめ、大久手西・大久手東公園の改良に着手するほか、矢田川河川緑地の自転車道整備を進めるなど、快適な公園緑地の環境整備を推進します。また、同地において、市民の皆さまに、憩いの場としての魅力を再認識していただくためのイベントを開催します。

 「都市基盤」では、次期の都市計画マスタープランを策定し、これからのまちづくりの指針とします。三郷駅周辺まちづくり事業と北原山土地区画整理事業の二大事業については、資材費の高騰などの影響があるものの、組合や市民、事業者の皆さまと協力し、着実な事業の進捗を図っていきます。

 また、旭労災病院西交差点においては、渋滞緩和を図ると共に、安全性・利便性を向上させるため、改良工事に着手します。

 そのほか、印場駅北側バリアフリー化の詳細設計や、老朽化した三郷橋・三郷橋歩道橋の改修を実施します。

 交通施策については、市営バスあさぴー号の車両を計画的に更新するほか、今後の超高齢社会を見据えた公共交通のあり方を検討するため、タクシー車両を活用したデマンド交通の実証実験を実施します。

 上下水道事業は、水道管の耐震化と下水道管の布設整備を着実に推進すると共に、持続可能な事業運営を行っていくために、経営効率化に努めつつ、中長期的な経営の見通しを分析し、料金・使用料見直しの検討を進めます。

重点施策6「共創・行政経営」​

 最後に重点施策の6項目め、「共創・行政経営」についてです。

 「共創」に関しては、活力あるまちづくりのため、市民で構成される自治会や町内会、市民活動団体等との連携を深め、行政として、地域コミュニティ活動の支援をしていくことが重要です。

 令和7年度は、地域集会所の空調機更新の補助金について予算規模を拡充するほか、市制55周年に合わせて、市民祭や夏まつりなどの様々な催しを、地域と共に盛り上げていきます。同時に、要員不足や高齢化、猛暑など、直面する課題に対応するため、持続可能なイベントの実現に向けて、抜本的な見直しを検討してまいります。

 コミュニティ拠点施設では、スカイワードあさひのエレベーター改修や、渋川福祉センターの空調・電気設備の改修を実施します。

 「行政経営」では、限りある人的・物的資源を有効に活用して、効率的、効果的な運営を行うために、柔軟で斬新な発想により行政改革を実施すると共に、行政手続きのオンライン化や、市の住民情報などを国の規格に統一するシステム標準化など、デジタル化を着実に推進してまいります。

 また、職員の「心の窓口」を開設して職員の心のケアを行い、働きやすい環境を整えると共に、職員のアイデアをカタチにするチャレンジ事業では、主に市制55周年記念事業と関連づけて実施いたします。

 引き続き、職員が果敢にチャレンジする職場風土づくりに努め、組織力の強化を図ることで、質の高い行政サービスの提供を目指した行政経営に努めます。

​おわりに

 以上、重点施策の概要について、ご説明を申し上げました。

 これらの施策は、第六次総合計画に謳う、めざすまちの未来像「幸せつむぐ 笑顔あふれる 尾張旭」の実現のために、必要な事業を慎重に選定したものです。

 市の行財政運営においても、民間企業と同様に、昨今の物価・人件費高騰が大きな重荷となっていますが、市民サービスの維持・向上を使命として堅持しつつ、健全経営に鋭意努めてまいります。

 激動する社会情勢に伴い、行政が対応すべき課題は山積し、市民の皆さまのニーズも多様化・複雑化しています。本市が「住みやすい街」であり続け、とりわけ、子育て世代の方に、終のすみかとして「住みたい街」に選ばれるためには、限りある財源を最大限に活用し、事業の優先度を見極め、早期に手を打つべきものから躊躇なく対処していくことが必要です。

 そのため、現場や市民の皆さまのもとに足を運んで、直接悩みや意見をお聞きすることで、様々な事業の重要性や課題を把握するという、私の市政運営の基本姿勢を継続しながら、各事業を着実に、力強く推進していきたいと考えています。

 本年4月の組織変更では、スポーツ分野を教育委員会から市長部局へ移し、市長公室の中に「健康都市・スポーツ課」を新設いたします。私は、スポーツの持つ可能性と、これまで築き上げてきた健康都市の様々な取組を融合させることで、暮らしの中に「楽しさ」を創出するまちづくりに繋げられる可能性があると考えています。

 こうした変化、新しい風を加えながら、私自身の「ふるさと」でもある尾張旭の着実な発展に向けて、魅力あるまちづくりを推進し、「昨日よりも今日、今日よりも明日がもっと輝く、幸せを実感できるまち」を目指して、市政運営に全力を尽くしてまいります。

 最後に、市民の皆さまや議員各位の多大なる御理解と御協力を心からお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

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